RealFiについて すべての人に機会を提供する【翻訳文字起こし全文】
RealFiについて、チャールズなどがパネルディスカッションしています。これからのDeFiのあり方
以下の文章は、IOHKのYouTube動画「RealFiについて すべての人に機会を提供する」(2021/10/6)を翻訳文字起こししたものです。
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要点
・DeFiの上位互換を作ることに意味があると考え それをRealFiと呼んでいます
これはアイデンティティ、メタデータ、ガバナンスを組み合わせたものです
・例えば ケニアの農民やエルサルバドルの企業経営者の場合 これらの人々の多くは月に6%以上の貸出金利を支払っており これは絶対的にユーザーを食い物にしているとしか思えません
しかし 彼らは他のシステムにアクセスできないため そうしているのです
・規格に対する需要があることは明らかで DeFiに対する規制が来ることも明らかです 例えば Uniswapは米国証券取引委員会から注目されたばかりのようですし Coinbaseからは警告が出されています
今後12〜24ヶ月の間に 大多数のDeFiプロバイダーは アイデンティティとメタデータを明らかにし 適切な標準を作成し 安全で機能的であることを確認し さらに規制とガバナンスの問題を解決するために 計画的にRealFiにアップグレードしていくだろうと考えています
・10億人以上の人々がIDを持たず その多くが自給自足の農民や難民です
10億人の人々が従来の身分証明書の発行を受けられない主な障害は身分証明書を発行できるオフィスに行けないこと 身分証明書の発行にかかる費用 煩雑な書類作成 手続き そして身分証明書の発行方法に関する知識の欠如などが挙げられます
逆に言えば 10億人以上の人々が携帯電話を持っているということであり Atala PRISMで構築しているような ブロックチェーンベースのモバイルIDシステムへの道が開かれているということです
・過剰な担保設定が問題になっていて 人々は融資を受ける前に2~300%の担保を用意しなければならないのです
私たちは この問題をCardanoで解決しようとしています
例えば Atala PRISMを活用して信用調査機関を構築したり 通信事業者と協力してAIベースの信用調査を行うなど 信用スコアリングのための新しい仕組みを導入しています
・DeFi戦略を成功させる鍵は 3つの異なるレイヤーで構成されていると思います
ユーザーエクスペリエンスの面を解決しなければならないのです
第二に これらのプロトコルを最も必要としている国や地域の人々に届けるための適切なコラボレーションモデルが必要です
だからこそ World Mobileのようなパートナーを得て インターネットに接続できる人が町にいて その人がコミュニティ全体にサービスを提供できるようなハブ&スポークモデルを考えているのです
そして3つ目は これらのソリューションが成長していくためには 適切な資金が必要だということです
Cardanoが非常にユニークなのは Catalystがあるからです
・IOが考え出した真のイノベーションとは わたしたちのプロトコルのクラスに対してゴルディロックスゾーンを書くだけで 形式手法のプロセスと査読プロセスという2つを適用することができるプロセスやシステムを どうやって構築するかということでした
そうすれば 10年待たなくても 数ヶ月から数年で 従来のモデルでは何十年もかかっていたことができるようになるのです
・では インターネットへのアクセスが保証されていない地域ではどうなるのでしょうか?
銀行口座を持たない人々のために 価値とアイデンティティを保持することができる低価格のハードウェアウォレットを提供するプロバイダーと提携しています
・ある意味で両立しない2つの相反する要求があるということです
ビットコイン式の上限のある供給を利用した価値の評価、手数料については実際に価格が安定するような料金モデルや仕組みを構築できないか というのが私たちの検討課題のひとつです
つまり システムを安定的かつ持続的なものにするためには この2つの金融政策を組み合わせる必要があるということです 今回発表したのは バベル・フィーです 自分のトークンを使って手数料を定義することができ ユーザーは特定のトークンで使用している特定のサービスに対して料金を支払うことができるというものです
本文
Joanna Ossinger:皆さん 「RealFiについて すべての人に機会を提供する」へようこそ
私はブルームバーグ・ニュースのアジア・クリプト担当のJoanna Ossingerです 今回は 基本的には紹介する必要のない方ですが Charles Hoskinsonさんとお話させていただきます
そして 最高技術責任者のRomain Pellerin 最高製品責任者のDynal Patelです
では さっそく始めましょう
Charlesさん RealFiとは何かについて少しお話いただけますか?DeFiに代わるコンセプトなのでしょうか?DeFiを進化させたものなのでしょうか?それとも 共存できるものなのでしょうか?両者はどのように連携するのでしょうか?
Charles Hoskinson:まず最初に Joanna 参加してくれて本当にありがとうございます
この場にいられることを光栄に思います
まず 業界やDeFi RealFiについて話したいのですが これらの要素はどのように組み合わされるのでしょうか?分散型金融というのは 今のところ曖昧な言葉ですね
オラクルやDEX ステーブルコインなど Ethereumやその他のプラットフォームで生まれたものを総称しています
通常 これらのプラットフォームは何らかの形で分散化されていると考えられています
つまり BloombergやThomson Reutersのような伝統的な事業者や 銀行 Coinbaseのような取引所とは異なるのです
もちろん 分散化の意味についてはさまざまな意見がありますが 私たちは DeFiの上位互換を作ることに意味があると考え それをRealFiと呼んでいます
これは いくつかの要素を組み合わせたものです
まず 多くのDeFiアプリケーションは 参加者であるユーザーのアイデンティティを持っていない傾向があることに気づきました
これは抽象的な意味でのアイデンティティであり 人間だけでなく デバイスやモノ 他のスマートコントラクトも含まれます
これは 大規模な情報や価値の移動について語る上で 核となる構成要素となります
2つ目は アイデンティティの双子のようなもので メタデータです
これは 誰が 何を どこで いつ どのようにして取引を行うかを示すものです
特に金融取引では 豊富なメタデータが存在することが非常に重要です
多くのDeFiでは メタデータの適用方法について一貫性のない基準が設けられています
第三に この種のプラットフォームには 何らかのガバナンスが必要になる傾向があります
どうやって成長するのでしょうか?どうやって進化するのでしょうか?どのように変化していくのでしょうか?通常 中央集権的な金融の下では それは非常に明確で CoinbaseがCoinbaseの取引プラットフォームがどのように競争力を維持し 成長し 進化し 変化していくかを決めることができます
しかし 残念ながら分散型の世界になると それはより困難な状況になります というのも これらのプラットフォームのユーザーである参加者の多くは プラットフォームをどうしたらいいのか どうやって参加させればいいのかを理解するために必要な専門知識を持っていないからです
彼らはただ消費者になりたいだけなのです
しかし 彼らが発言権を持たないのであれば 誰が発言権を持つのでしょうか また これらの製品がどのように進化・変化していくのでしょうか さらには 規格や認証の問題がありますが DeFi分野では 数千万から数億ドル規模の大量のハッキングが発生しています
これらのハッキングは 消費者の信頼や消費者保護 さらにはこのエコシステムの存続と成長に大きな影響を与えています
では どのようにして安全性を確保し 規格に準拠し 相互運用性を確保するのでしょうか 保険をかけることもできるし 規制をかけることもできます
規制といえば 規制を自動化して 規制が取引自体に組み込まれた形で機能するようにするにはどうすればいいのでしょうか
最後に 製品市場への適合性ですが このようなアプリケーションの多くは ニュージャージー州などに住む流暢な子供たちに消費される傾向があります
しかし 現実には ピア・ツー・ピアの融資やピア・ツー・ピアの保険 つまりレガシーの金融インフラの代替については これらの分野でサービスを受けていない あるいは十分なサービスを受けていない人々が対象となります
例えば ケニアの農民やエルサルバドルの企業経営者の場合 これらの人々の多くは月に6%以上の貸出金利を支払っており これは絶対的にユーザーを食い物にしているとしか思えません
しかし 彼らは他のシステムにアクセスできないため そうしているのです
RealFiの目的は これらの要素を組み合わせて 適切な市場 実際の人々 実際の金融にサービスを提供することで 実際にイノベーションを起こして面白いことができるようにしよう ということです
さて ここで重要な注意点があります
私たちは これらのことが必須であると言っているのではなく 任意であると言っているのです
優れたシステムやプラットフォームのポイントは その上に構築する人たちに道具箱を与え その道具箱をどのように顧客に使うかを決めることです
RealFiがDeFiの上位互換であることのもうひとつのポイントは 既存のDeFi体験を今のまま再実装することもできるし 追加し続けることもできるということだと思います 私たちは 規制環境に目を向け 物事がどこに向かっているのかを見ています
規格に対する需要があることは非常に明らかで DeFiに対する規制が来ることも明らかです 例えば Uniswapは米国証券取引委員会から注目されたばかりのようですし Coinbaseからは警告が出されていますし こういったことがあります
その結果 今後12〜24ヶ月の間に 大多数のDeFiプロバイダーは アイデンティティとメタデータを明らかにし 適切な標準を作成し 安全で機能的であることを確認し さらに規制とガバナンスの問題を解決するために 計画的にRealFiにアップグレードしていくだろうと考えています
また そこには新しい顧客のための市場があります
Cardanoは常に発展途上国への参入を目指しており 金融サービスに確実にアクセスできない30億人の人々に焦点を当てたいと考えています
わたしたちが参入しているこの市場の多くを見ると IDやウォレットを通じて この暗号通貨市場に参入し RealFiへのアクセスを提供することに わたしたちは大きな期待をしてしまいます
そうすれば 彼らは世界の市場に初めて公平に参加できるようになります
Joanna Ossinger:わかりました ありがとうございます
つまり アイデンティティーとは 当たり前になりやすいものなのですね
では アイデンティティを持たずに生活している人には どのような状況や例があるのでしょうか また それによって何にアクセスできなくなるのでしょうか?Dynal 話していただけますか?
Dynal Patel:ええ もちろんです
どうもありがとうございました
まず 問題の規模を認識することが重要だと思います 10億人以上の人々がIDを持たず その多くが自給自足の農民や難民です
10億人の人々が従来の身分証明書の発行を受けられない主な障害は アクセスできないこと つまり身分証明書を発行できるオフィスに行けないこと 身分証明書の発行にかかる費用 煩雑な書類作成 手続き そして身分証明書の発行方法に関する知識の欠如などが挙げられます
逆に言えば 10億人以上の人々が携帯電話を持っているということであり Atala PRISMで構築しているような ブロックチェーンベースのモバイルIDシステムへの道が開かれているということです
Joanna Ossinger:なるほど 興味深いですね
現在 DeFi導入の障壁となっているものは何でしょうか?そして Cardanoがどのように解決するとお考えですか?
Dynal Patel:つまり 明らかに過剰な担保設定が問題になっていて 人々は融資を受ける前に2~300%の担保を用意しなければならないのです
私たちは この問題をCardanoで解決しようとしています
例えば Atala PRISMを活用して信用調査機関を構築したり 通信事業者と協力してAIベースの信用調査を行うなど 信用格付けや信用スコアリングのための新しい仕組みを導入しています その他にも ユーザーエクスペリエンスに関わる大きな課題があります DeFi分野の競合他社の多くは さまざまなトークンを使った多くのプロジェクトを抱えていますよね
私たちが目指しているのは ネイティブステーブルコインやオラクルのようなコンセプトを用いて より摩擦の少ないDeFi体験を可能にすることなのです
もうひとつの大きな課題はセキュリティです
毎日のように大規模なハッキングのニュースが流れていますが Cardanoでは 私たちが構築した安全なプラットフォームを拡張し Cardanoの上に構築される深層部にまでこれを引き継ぐことができる 非常に強固な認証フレームワークを導入することを検討しています
DeFiはニッチで ほとんどがコアな暗号業界に集中していますが 私たちはこれをオープンにして すべての人に金融の機会を提供することを目指しています
もうひとつのポイントは 手数料が非常に変動しやすいことです
ビジネスを構築しようとしている人たちは 特に資産の価格が急上昇したときに この問題に対処しなければなりません
Cardanoでは 安定した手数料をプロトコル上に構築するためのアイデアについて いくつかの論文を紹介しています
Joanna Ossinger:Charlesはこの件について何か考えがありますか?
Charles Hoskinson:そうですね 一般的には反復のゲームですね
DeFi戦略を成功させる鍵は 3つの異なるレイヤーで構成されていると思います
つまり 最初のレイヤーは 基盤となるプロトコルはどのように進化するのでしょうか?そして どのようにしてお互いに学び合うのでしょうか?そして どのようにしてレベルの高いものを実際に実行させるのでしょうか?Oracleの場合は システムに情報を注入することに長けていなければならず その情報は正確でなければならず 情報の消費者としてそのようなものの真実性や信頼性のレベルを評価できなければなりません ステーブルコインの話をするなら 少なくとも米ドルや私たちが使いがちな媒体と同じくらい安定していなければならないのでは?そうでなければ?現金を持っている人に 今まで使っていたものよりも安定性の低いものを使ってくださいと どうやって説得するのでしょうか?
つまり ユーザーエクスペリエンスや使いやすさの面で比較可能性があり それを解決しなければならないのです
また 流動性を確保するためには 業界全体で標準化する必要があります
第二に これらのプロトコルを最も必要としている国や地域の人々に届けるための適切なコラボレーションモデルが必要です
例えば すべての人が接続できるわけではありません
だからこそ World Mobileのようなパートナーを得て インターネットに接続できる人が町にいて その人がコミュニティ全体にサービスを提供できるようなハブ&スポークモデルを考えているのです
その場合 コミュニティの全員が携帯電話を持っていたり インターネットに接続していたりする必要はありません
その人は ラストワンマイルの問題を解決する小さなビジネスモデルとなります
そして3つ目は これらのソリューションが成長し 進化していくためには 適切な資金が必要だということです
Cardanoが非常にユニークなのは Catalystがあるからです
約10億ドルのADAがコミュニティに提供される準備ができていて 6~8週ごとに新しいファンディングラウンドが始まります
シリコンバレーやニューヨーク シンガポール ロンドンでなくても カンパラでもラゴスでも どこにいても 「私には素晴らしいアイデアがあります
そして 資本へのアクセスを分散させていきましょう
つまり 適切な標準規格と同等のユーザー・エクスペリエンス レガシー・システムと同等のコストレベル ビジネスマンなどの適切な参加者による適切なビジネス・モデル 接続性の問題など これら3つの要素が揃っていればいいのです
そして それを資金と組み合わせることが まさに秘訣だと思います エルサルバドル アルゼンチン コンゴ 南アフリカなど 率直に言って最も必要としている場所で いまだにDeFiの大幅な導入が実現していないのはそのためです
そして最後に これらすべての規制に対して将来的にどのように対処していくのか ということをきちんと説明しなければなりません このように複雑な議論になるのは 国境を越えた規制の問題を扱っているからです
だから誰もが 米国財務省が何を気にしているのか と考えがちです しかし 場合によっては全く問題にならず 関連する規制は米国財務省とは関係のない他の12カ国かもしれません そこで問題となるのは 文字通り150カ国のユーザーが同時に利用できるアプリケーションを構築できる環境で どのようにして利用するかということです スモールバリューのユーザーは?そして 中央の報告機関はありません 150カ国のユーザーが満足していることをどうやって確認しますか?もし そうでなかったら?それをどうやって解決するでしょうか これが DeFiやRealFiを採用する上での大きな課題です 従来は ゲートキーパーモデルがあり アカウントを作成し そのアカウントを作成した人が問題があった場合に責任を負うことになっていました
そして あなたをお客さまとして迎えたいかどうかを判断するのです 例えば 米国内の多くの人々が海外で銀行口座を持とうとしましたが 規制のコストが非常に高いため 実際には口座開設を拒否されてしまいます
米国市民である私がスイスで銀行口座を開設するのは非常に困難でしたし 私たちの会社が香港でHSBCを利用していたときには 現地の規制ではなく 米国の規制当局へのコンプライアンスのために 香港で銀行口座を開設するのは非常に困難でした
まあ それは中央集権的なビジネスとしてやればいいですね
すべての人にサービスを提供するオープンアクセスのプロトコルでは そのようなことはできません
つまり 成長と採用に関する3つのサブ課題に加えて 大きなメタ課題は 人々が自分のケーキを食べられるようなシステムを実際にどうやって作るかということです
基本的には システムが自ら規制し 自ら維持することで 消費者保護や資金の流れの透明性などを確保し マネーロンダリングやテロリストの資金調達などの問題が発生しないようにします
これがバランスを取るための重要なポイントです
本当に素晴らしいのは 発展途上国で多くの積極的な規制改革が行われていることで これらの国では実際に法律や基準を制定しています アメリカ国内でも 例えばワイオミング州のDAO法や 「ビットコインが法定通貨になりました」というようなことが起きています
これは 機能的で自動化された規制が実際にプロトコルの中に組み込まれることを意味しています
これらの要素が レガシーシステムから新システムへの移行を促す接着剤になると思います なぜなら 取引手数料や運用コストが 場合によっては桁違いに低くなるからです また 何兆ドルもの価値があるにもかかわらず 現在はアクセスできない新興市場にアクセスできるようになるからです
Romain 何か付け加えたいことはありますか?
Romain Pellerin:2つのポイントがあります
1つは システム間の相互運用性が必要なこと
あなたがおっしゃったように 標準はDeFiである必要があります
異なる国にいる人々が スマートコントラクトを通じて 実際に交流するのです なぜなら システムやDeFiに接続できなければ 基本的には交流できないからです
そのため 相互運用性の基準を徹底し アプリケーションが実際に互換性があることを証明し 入力したモデルや共有したデータが他の場所でも利用できることを確認することが重要になります
例えば 私がアメリカに引っ越したとき 実は銀行の履歴を完全に失っていました
私の記録は 私はアメリカで生まれたばかりといったものでした
これは システムが切り離されている例です
相互運用性が必要なのはもちろんですが セキュリティも必要です
RealFiにはセキュリティが絶対に必要です
明日の金融オペレーティングシステムを実際に動かすのは そういったシステムやCardanoなのです
そして この責任を取るためには ユーザーはもちろん ブロックチェーンにプロセスをエンコードしてDeFiやサービスを記述するスマートコントラクトの開発者にも 関連するセキュリティを提供する必要があります
そのため 彼の認証やスマートコントラクトの検証などを行っています
Joanna Ossinger:素晴らしいですね
それでは このことがユーザーやエコシステム 世界にとってどのような意味を持つのか もう少し詳しくお話ししましょう
例えば 安全性など これまで話してきたことをもう少し詳しく説明してください
では IOGの研究主導によるCardanoへのアプローチは どのようにしてDeFiにおける安全なソリューションをつくるのか Charlesにお聞きします
Charles Hoskinson:おかしな話ですが 何十年にもわたって蓄積された科学者やエンジニアの軍団を持つフォーチュン500企業と同等の評価を受けているシステムを 子供たちが動かしているわけです
そして 何かが壊れると 「まあ それはオープンソースプロジェクトだから 買い手は気をつけろ」と言うのです
業界は 品質や安全性についてより高い基準を持っていなければならないと思いますし 私たちが主張していることが真実であることを保証する必要もあります
プロトコルの世界を語るとき その保証は科学的なものです
つまり あるものが証明可能な安全性を備えていると言うとき あるものが機能すると言うとき あるものが敵から防御できると言うとき 私たちには学術界で40年以上にわたって守られてきた基準があります
それは査読プロセスです
これを暗号技術にも適用しています
この基準は非常によく機能しており 軍は安全な通信のためにこの基準を信頼していますし 諜報機関は機密情報のためにこの基準を信頼しているのです
ですから 敵に対するレジリエンスを知るためには 同じプロセスと基準を使い 同じ機関に参加してもらうべきだと考えています
例えば 大学 学者 教授 大学院生 ポスドクなどは 終身在職権を得るために同じ負担を強いられます つまり 出版し 論文を書き その論文を査読してもらうのです そうすれば 客観的な第三者 中立的な第三者が入ってきて 何が真実で 何が真実でないのかを言うことができるからです 誰かに聞いた場合はどうなりますか?あなたの製品は素晴らしいですか?あなたの製品は安全ですか?と聞けば ああ もちろん 素晴らしいし 安全だし 安心だよと答えますよね
製薬会社に行くのと同じですね
あなたの製品は安全ですか?それを飲めば あなたの望むものが得られますか?FDA(アメリカ食品医薬品局)が存在する前は 水銀とコカインを混ぜ合わせ ラジウムを少し加えて これで万病を治せると言って回っていましたよね?
そこでFDAは このシステムを少し変えてみようと言い出したのです
あなたが主張していることの証拠を提供しなければならない と彼らは言いました
私たちが求めるのは 基本的にそれだけです
その証拠とは 学術界で使用されている基準や負担です
さて ソフトウェアの側でも エビデンスを得ることができます
これは航空宇宙産業では常に使用されています
また 列車の製造などでも システムの故障が数十億ドル あるいは人命 あるいはその両方の損失につながるようなシステムがある場合には 常に使用されています
飛行機に乗るときも 宇宙飛行士がロケットやスペースシャトルに乗るときも ペースメーカーが動作する医療用ソフトウェアを書くときも すべて失敗したら死んでしまいますからね
そのため ソフトウェアの書き方にはさまざまな基準を用い そのソフトウェアが正しく書かれていることを示す証拠が必要となります
エチオピアで墜落したボーイング737マックスのように 時折 基準を満たしていない例がたくさんあります
そして そのシステムには 設計上の失敗に加えて 非常に重大で深刻なソフトウェアの問題があったことが判明しましたが 形式手法を用いれば解決できたはずです
私たちは コンピュータサイエンスのサブドメインである形式手法エンジニアリングを採用しています
その技術やツールを使って 私たちが書いた科学をコードに変換するのです
では なぜこのようなことがシリコンバレーや産業界で行われないのでしょうか?それは 非常に几帳面で コストがかかり 時間がかかると思われているからです
IOが考え出した真のイノベーションとは わたしたちのプロトコルのクラスに対してゴルディロックスゾーンを書くだけで 形式手法のプロセスと査読プロセスという2つを適用することができるプロセスやシステムを どうやって構築するかということでした
そうすれば 10年待たなくても 数ヶ月から数年で 従来のモデルでは何十年もかかっていたことができるようになるのです
また ソフトウェアがお客様に提供される前に 膨大な量のバグや設計上の欠陥 セマンティックな問題を前もってキャッチできるという利点もあります
第二に そうすることで 最終的には 中小企業や dAppsやアプリケーションを確実に成功させたいと考えている起業家がアクセスできるところまで ツールをアップグレードすることができます
今回のカンファレンスでは 複数の認証パートナーが発表を行っていますが これは私たちが開発した成果の一つです
QuviQやRuntime Verification Tweagなど dApp開発者が実際に利用できるツールやテクニックを提供していますが 自動化されたものもあれば 手動で行うものもあります これらは アプリケーションが正しく設計されているかどうかを数週間から数ヶ月の間に高いレベルで保証するために利用できます
そして最終的には DAOのハッキングやThorchainなど 業界で見られるようなことが減り これらのアプリケーションが正しく作られていることがより確実になるということです
ですから ここまで来るには非常にお金がかかります
私たちは会社として おそらく5,000万ドル以上を費やしたと思います
この6年間でそれらのプロセスを正しく行うことができました
Haskell Foundationの創設メンバーであり 形式手法ツールに多額の投資を行い 古典的なHaskellコンパイラの中核的な開発者となるなど 業界のさまざまな人々と協力してきました
当社には形式手法の専門家が多数おり 定期的に形式手法に貢献しています また PlutusやCardano スマートコントラクト全般を支援するために特注のツールを作らなければなりませんでした
しかし これらのインフラはすべて アプリケーションビルダーが自分のアプリケーションの品質と保証のゴルディロックスゾーンを決定する際のツールボックスとして構築されています
さらに 私たちが行った学術的なプロセスは 私たちが会ったこともない お金を払ったこともない何十人 何百人もの科学者たちを刺激し 私たちの業界に入ってきて論文を書き始めさせました
つまり 文化的にも言語的にも性別的にもニュートラルな視点を持っているということです 突然 創設者がいなくなり アカデミーを包括する分散型の頭脳が生まれました
そして この業界で論文を発表し 研究を行うことで 実際に就寝在職権を得ることができることを知っているのです 私たちが会社として書いた論文は111本以上あります
その中には 例えば「ナカモト・プルーフ・オブ・ステーク」のように 私たちとは関係のない科学者が書いた二次創作も多く含まれています
彼らは 私たちが行った研究を見て そこにメリットがあることに気づき その続きの作品を作ることにしたのです
このようにして プロトコル・イノベーションの長期的な存続と活性化が保証されるのです
なぜなら 中央の組織は必要ないからです
大学が網の目のように張り巡らされていて 毎年のように更新されているのです
常に新しい大学院生が入ってきています
毎年のように新しいことを始める人がいて そのイノベーションに資金を提供する政府やその他の団体 学生の授業料もたくさんあります
つまり 絶え間ないプロトコル・イノベーションのために 多様な資金が提供されているのです
そういう意味では 美しいエコシステムですね
そして それは本当にまとまっています
しかし ここまで来るのは大変でした
何年もかけて 5,000万ドル以上の資金を投入しました
ですから 私はそのような経験をもう一度したいとは思いません
でも 無事に終わってよかったと思っています